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「壊す力」と「貫く力」──芸術に学んだ、表現者としての問い




先日、少し早めの夏休みをいただき、自然の中でリラックスしながら、美術館巡りをしてきました。行き先は箱根。短い滞在でしたが、印象的だったのは何といっても、ピカソ展とゴッホ展。(彫刻の森とポーラ美術館に)


この二人の芸術家に触れながら、表現とは何か、自分にとっての“音楽をやる意味”とは何か、深く問い直す機会となりました。





ピカソ──壊してなお創る者



ピカソの作品群には、一つの形に縛られず、次々にスタイルを変えていく勇気がありました。キュビズム、青の時代、赤の時代……どれも「自分で決めた型」をあえて壊して進むという強烈な姿勢が感じられます。


つまり、「今うまくいってるものさえ、あえて破壊する」──これは簡単なことではありません。


ふと、自分の練習や演奏、指導においても、無意識に“できる範囲”に留まっていることがないか、思わず考えさせられました。





ゴッホ──塗り重ねるように貫く者



一方で、ゴッホにはまったく逆の美しさがありました。一つのタッチ、一つの筆致に宿る執念。彼の絵はまるで「祈り」のように、同じテーマを何度も、何度も追いかけています。


人に認められなくても、自分が見たものを、自分の手で形にしたい。その**“ぶれなさ”の力強さ**は、何か大切なものを思い出させてくれました。





芸術は、人生そのものを映す



芸術を見ることは、結局、自分の人生を見ることに繋がります。


今の自分にとって必要なのは、

「壊すこと」なのか、「貫くこと」なのか。


生徒の皆さんも、音楽を続ける中で、必ずこうした問いにぶつかる時が来ると思います。


練習法でも、表現でも、「これは本当に必要か?」「今は何を信じるべきか?」という問いを持ち続けることが、成長への鍵だと、改めて感じました。





最後に:問いは力になる



音楽も人生も、問いから始まる。

そして、その問いを持ったまま行動し、また振り返ることが、表現の深みや、自分らしさに繋がっていくのだと思います。


あなたは今、何を壊し、何を貫こうとしていますか?


ぜひ、レッスンや練習の合間に、少し立ち止まって考えてみてください。



 
 
 

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