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【ギター演奏考察】トマティートの若きソレアに学ぶ:“手首の重さ”が生む究極の親指



フラメンコギターにおいて「親指」は命だ。

そして、それを極めた一人が、トマティート。


今回取り上げる映像は、若き日の彼が弾くソレア


この1曲に、彼の「身体の使い方」「音のキレ」「フラメンコの核」が詰まっている。



■ 手首の“重さ”を音に変える男


長年、トマティートの親指の動きには一つの謎があった。

「なぜ彼はあそこまで手首を曲げて弾くのか?」と。


一見、非効率にも思えるフォーム。

だが最近、その答えに気づいた。


👉 彼は“手首の重さ”を親指に集約しているのだ。


これが、あの重く鋭いキレのある音を生む秘密だった。


手の力を抜き、腕の重量をナチュラルに弦へ伝える。

脱力の極意と、音のインパクトを両立させる身体操作。

これぞ、フラメンコの身体知だ。



■ 脱力 × 強さ = トマティートの流儀


一般的に「力を抜いて弾け」と言われる。

もちろんそれは正しい。だが――


ただ脱力しただけでは、音は弱くなる。


フラメンコには、「音の強さ・速さ・切れ味」が不可欠。

脱力しながらも、音が鋭く飛んでくる。

その矛盾を超えたところに、トマティートの演奏がある。


彼は、

• 手首を深く折り、

• 重さを一点(親指)に集中させ、

• 指の爪と腹で深く鋭く捉える。


これにより、小さな力でも強く響く音が生まれる。



■ 間(ま)、切れ、呼吸のコントラスト


この演奏で特筆すべきは、音の「間」の感覚だ。

ただ音をつなげるのではなく、

フレーズの前後に“余白”がある。


その“間”こそが、次の音の鋭さを際立たせる。

音と音の間に、空気が震えている。


それが、フラメンコ特有のエッジや緊張感に繋がる。



■ 若くしてここまで仕上がっていた衝撃


この映像は、ただのアーカイブではない。

トマティートが若くして、身体と音の本質を掴んでいた証拠だ。

• 身体の重心と力の流れを知っている

• 音の“鳴るポイント”を的確に撃ち抜いている

• 演奏の「空気感」「呼吸」「生理的な説得力」が完成されている


これが20代の若さ(多分)でできている。

正直、感嘆せざるを得ない。



■ 最後に:我々に何ができるか


この映像をただ観て「すごいな」で終わらせるのは、もったいない。

学ぶべきはフォームではなく、発音の原理と身体の構造理解だ。

• 重さはどこから来るのか?

• 音の鋭さはどうやって生まれるのか?

• 手首の角度と親指の関係は?


そういった問いを持ちながら、

自分の身体で再構築していく。

そこに、真の練習がある。



🎸 多摩平フラメンコギター教室では、こうしたプロの演奏も参考にし、

演奏技術と身体理解の両面からアプローチするレッスンを行っています。


「脱力と強さの両立」――これを体感したい方はぜひ体験レッスンへ。



 
 
 

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